念願の大峰山寺本堂へ行ってきました。
学部時代から師匠の話を聞いて行きたいと思っていたのですが、なぜだか行けていなかったお寺です。今年度から修験の建築を調べ始めましたので、その機会が訪れた!と意を決して向かいました。
山頂のやや下の開けた場所に建つ本堂は、反りのない屋根に一軒の垂木、堂内の太い柱は質実剛健といった趣で、一種特別な(異様な?)存在感ある建物でした。堂内はかなり広く、外陣土間はも十分な広さがあり修験者の集団が先達に引き連れられて入っても十分な大きさだろうと想像出来ました。今年は改元記念と言うことで本尊ご開帳、内陣へ参入出来たので、間近で蔵王権現を礼拝し、仏壇周りをぐるりと廻ってきました。板敷きの内陣も力強い部材で組み立てられており、私は居心地良く感じました。この日も風が強く、山頂の厳しい気候条件を考えれば、この堂の形は納得がいきます。また、山道を歩き、途中の修行スポットも見ながらたどり着くと、この堂の力強さは神仏に守られているという安心感を与え、試練を乗り越えた自分への自信を確信できる建物として効果的だったのだろうなぁ、と学問的な根拠はなく、僅かな体験から推測させられました。そして、近世の建築というよりは、やはり山上の建築という場所の強さを感じる建物だと納得しました。
大峰山寺本堂、漸く行けた建物ということもあり、非常に強い印象を受けました。
この山上ヶ岳への登拝、予定では前日のつもりでしたが、台風が発生という状況のため、一日順延して洞川からのピストンルートとなりました。道としては清浄大橋—一本松茶屋—お助け水—洞辻茶屋—鐘掛岩—西ノ覗—大峰山寺本堂(—山上ヶ岳頂上)という順です。山内への入口に建つ女人結界門はいよいよ修験の山へという気持ちを増させ、身が引き締まります。朝からの上りはのうち靄がすごく、眺望は全くなし、山頂も見えないという状況でした。茶屋の向こうに続く山道も先が見通せない、ホラー映画さながらの景色のなか、黙々と上りました。さらに風が強かったので、岩の上に立つところ、鎖場では結構緊張しました。頂上に近づくにつれて徐々に回復していき、本堂を拝観していると青空も覗くようになり、頂上の笹原も気持ちよく歩けました。が、それも長くは続かず、再び雲が多くなり、雨も覚悟しての降りになりましたが、運良く濡れずに下山できました。天気としても山らしい一日で、これはこれで楽しめました。
宿泊した洞川温泉、そして天川村はなかなかに面白い場所です。今回行けなかった所もまだあるので、あまり遠くない未来に再訪したいと思いました。
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