■一橋徳川家の能(国立能楽堂資料展示室、〜2015.12.12)
http://www.ntj.jac.go.jp/nou/event/2968.html
先日、研究室で中川武先生からこの展示会のことを聞き、行ってきました。
指図で目にしていた大名屋敷の能舞台が大名(家)にとって何なのか、ということを考えられる展示です。
屋敷の指図と模型から一橋家の屋敷を先ず把握できることが嬉しく、そこから能舞台の指図、装束や面、中啓(扇)、謡の本といった道具から当時の様子を想像する楽しみがあります。建物と芸能がつながる展示だったのが印象的で、それほど広くない会場ながら充実していています。
なかでも面白かったもの。
○能が年中行事や成長儀礼との関わりがあったこと、大名の楽しみ・たしなみとしての一面を知ることができる日記資料。さすが一橋家の日記、文字がうまい。
○能装束。大ぶりな柄でありながら繊細な意匠。雪持椿は美しい。
○狩野柳雪筆「能之図」。能の演目を一つの絵で示した、いわば名場面集。見ると「ああ!」と分かる場面ってあるものですね。
もちろん、建築に関連する部分は飽きずに見ていられます。江戸城、大名屋敷の指図は大きいこともありいつまでも見ていられますね。
会期は今週末までです。9月からやっていたので、もっと早く行けばよかったと思いました。良い企画、良い展示だと感じました。満足です。