3月8日、名城大学・溝口明則先生の最終講義に行ってきました。
先生はアジア(カンボジア)から日本まで、広く設計計画や技術に着目して論を展開させている建築史家です。私の出身研究室の先輩に当たることもあり、たびたびご指導頂いています。
研究のことやお考えは研究会や食事をご一緒した時にお聞きしていましたが、まとめられた一つの話しとしてお聞きするのは初めてでした。
プレアジアからアジア的古代といった社会体制と尺度・方位の話し、建物の材料(木・石・煉瓦)と建物の永続性の話し、そしてものさしと計画の話し、と先生が取り組んでこられた内容が「設計技術」という一つの軸で語られる濃い講義でした。こうした大きな視点で研究を俯瞰してまとめ上げられていく話しは魅力的で、この流れを頭に置きつつ、改めて論文・著作を読み返したいと思っています。
今後もご研究は続けられると思いますので、その意味では「最終」講義ではないでしょうが、やはり、ご自身でこれまでの研究をまとめた一区切りの講義で、工学・宗教・哲学など幅広い分野の深い知識から織りなされた理論は面白く、またこちらの思考を強く刺激するもので、本当に聞いて良かったです。
懇親会とその後の食事にも参加させて頂き、研究室の学生さんやOB・OGに慕われている先生を見て、教育者としても素晴らしい方だと改めて感じました。そういう人になれるように精進していこうと思いました。