先日、犬山城へ行ってきました。
やはり「現存」というものの重みは違いますね。釿の刃痕の残る古材は時間をそのまま表していますし、直接目にできる構造体はこれだけの大きな建物がどのように組み上げられ、これまで耐えてきたのかを示しています。
一番の見どころと感じたのは入口すぐの地階にある太い梁でした。釿の刃痕が鱗のように材全体を覆い、まるで巨大な龍の胴のようで、城の存在の根幹を支えている部材の様に見えました。
各地で天守や櫓の木造復原が行われたり、議論されています。
建設当時の姿を構造・技術も含めて忠実に復原することは重要なのは確かですが、それに加えて手入れをしながら400年維持し、後世の人に感銘を与えられる建物とすることも大切でしょう。
バリアフリーや耐震・耐火など現代ならではの問題もありますが、それをどれだけクリアしながら、江戸時代の建物と同じくらい存在感のある建物にできるか、結構、その辺りに復原の肝があるような気がしています。
色々考えることができる見学でした。